韓国傑作ドラマ批評(6):미생 (未生・ミセン),2010年,KBS

 ◆オススメ度(★〜★★★★★):★★★★★

 

◆内容:
プロの囲碁棋士になることを諦めた若者チャン・グレが,生計のために企業に就職する。大卒同僚のようなスペック(PC知識,外国語,ビジネス関連専門知識等)がないことからありとあらゆる難関が立ちはだかる。それら一つ一つに真剣に取り組む過程で同僚や上司と信頼関係を築き上げ,自分だけの人生を意味付けていく過程が描かれる。スペックがあるひとも,ない人も,それぞれの立場で自分の生き様を振り返らざるを得ない力作。
 
◆感想:
主人公役のイム・シワンの抑制された演技が良い。韓国人の内省的な一面を垣間見ることができる,数少ないキャラクターの一つ。原作者の漫画家ユン・テホの物静かで内省的な性格が,主人公に投影されているようだ。
 
演出担当は김원석(キム・ウォンソク)。このPDが担当すると,まず間違いない。スリル満点のストーリー展開と味わい深い人間ドラマの両方を体験できる。