屋根付きのオープンカーで駆け抜ける、風と光とこの瞬間よ。

今日の短歌(6) :

 

「屋根付きのオープンカー」とは、窓を全開した状態のただの中古車。

屋根があるので、直射日光を避けることができるのが、とてもいい。

紐付きのアウトドア用帽子をなびかせながら、初夏の田園を駆け抜けた。

目的地は、あまりにも現実味がありすぎるので、この際、省略。

目的が何であれ、今、この瞬間、こうやって梅雨の晴れ間の清々しい初夏の朝、風と光を一人で満喫できるのは、これまでもなかったし、これからもなさそうだ。

そう思うと、この瞬間が愛おしくかけがえのないものに思えた。

 

私は、車を持っていないし、持ちたいとも思わないし、何よりも持つ財力もない。

この先はジリ貧ロードまっしぐらのはずなので、今日のこの体験はほとんど奇跡なのだ。