기생충/Parasite (パラサイト: 半地下の家族)2019年

 ◆オススメ度(★〜★★★★★):★★★★★

 

◆キーワード:

#左右(イデオロギー)ではなく、上下(貧富)の人間関係がもたらす喜劇と悲劇

#圧巻のビジュアルと結末


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映画:パラサイト(2019年)

 
◆感想(2019年11月):

 

 現代韓国社会という舞台は狭い意味での舞台に過ぎない。
 
その舞台を借りて映画が描き出すのは、グローバリゼーションが作り出した普遍的な貧富問題。
 
だけど、説教臭さは全然ない。
 
貧富問題は、映画の中では地上・半地下・地下で生活する人々に投影され、観客を視覚的に惹きつける。いちいち考え、解釈しなくてもよい。観客はあたかもジェットコースターに乗せられた状態でスリルを楽しむことができる。
 
そして乗り終えた後には、余韻が残る。
 
地上の人・半地下の人・地下の人とでそれぞれ思うところは異なるだろうが、いずれの立場にあっても、何らかの反省を惹起させる。
 
そうだとしても一番反省すべきは既得権益をもっている地上の人であろう。
 
自分たちだけでなくみんなで幸せになる方法を模索するしか、人間らしく生きる道はない、というのが私がこの映画から得た結論。